過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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63:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:04:06.50 ID:JxUSEnW0o
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桜の木の下には、まだ誰もいなかった。
小走りでここまで来たが、何故か息は切れていなかった。
来ないわけない。撫子は必ず来る。
撫子が来ると言ったら、私はそれを信じ続ける。このまま朝になったって、待ち続ける。
生い茂った桜の葉っぱは雨を弾いて、木の下は濡れていなかった。
月明かりも隠れている真夜中だが、この場所は多少明るい。少し離れたところにある街路灯と、闇に慣れた私の目もあってのことだ。
走ったこととは違う意味で、心臓が跳ねるほどドキドキしていた。ずっと会いたかった人が来てしまうこと、閉じ込めた想いを言う時が来てしまったことに。
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