過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
↓ 1- 覧 板 20
77:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:13:19.72 ID:JxUSEnW0o
――――――
――――
――
−
私はその日、大室家に泊まらせてもらった。
撫子に一秒でも早く会いたいならここにいるのが一番だと、櫻子が誘ってくれた。
幸いにも明日は土曜日だった。待ってるよ、と撫子に久しぶりのメールを送ってみれば、昼頃にはつくというだけのメールが返ってきた。
メールでは想いを伝えない、すべては自分の言葉で言いたいのだろう。いつもと変わらない短文から、それだけを読み取った。
どうやら撫子は昨日の夜に下宿先を飛び出して、終電も何も調べないままに電車に乗った結果、途中の駅で始発を待つはめになったらしい。
何事にも計画的の彼女なだけに、意外な行動に思えた。が、誠意ってやつじゃない? という櫻子の言葉には納得がいった。
朝は、私がいるという驚きと櫻子の髪がばっさり切られていることに驚愕した花子の叫び声で目を覚ました。
昨日は結局どうなったのかと気になる向日葵もやってきて、大室家はまたすぐに賑やかになった。
今まで櫻子を借りていた事、知らずの内に彼女を髪を切るほどに追いつめてしまっていたこと、全部向日葵に謝った。想い昂ぶってキスをしてしまったことだけは、ちょっと言えなかった。
94Res/85.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。