過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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84:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 18:19:11.21 ID:JxUSEnW0o
「……撫子が泣いてるとこ、初めて見た」

「……そ、そうだっけ」


「だって、撫子はいつも完璧だったもん……泣いてる私を、いつも助けてくれて」

「そっか……でも私、最近めぐみのことばっかり考えてたから、よく泣いちゃうようになったんだけどね……」

「それは、私だって同じだよぉ……!」


撫子は私の胸にぽすんと飛び込んで、大きく泣いた。


こんなに近くにいることが嬉しくて、私のことを想っていてくれていたことが嬉しくて、私は今日も涙がとまらなかった。


撫子はいつも、泣いている自分を慰めて元気付けてくれる側だった。

私が撫子のために何かをしようとして、そうしてドジを踏んで失敗して泣いている自分を、撫子がまた助けてくれて、私はどんどん撫子のことが好きになっていって……


あんなに大きすぎた存在が、今は私の中で小さくなっている。


繋ぎとめ、手繰り寄せ、ここまで来てくれた。最初から私たちは、片時も離れる想いなどしていなかった。



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