6:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:19:20.64 ID:5f1jLFQY0
  
  
  
 「……」 
  
  
 少々の沈黙が流れた後、声がした。 
  
  
 「指揮官。そろそろ」 
  
  
 彼の下につく、若き候補生だ。 
  
  
 既に解体の準備は整っているのだろう。 
 最後とはいえ、ここまで尽くしてくれ、気持ちの整理を待ってくれた彼らには頭が上がらない。 
  
  
 「……」 
  
  
 指揮官は不意に、私を抱きしめてくれた。 
 こんな、オンボロの私を。 
 人として扱うことすら難しい、大破した私を。 
  
  
 「ありがとう」 
  
  
 「……」 
  
  
 「長い間。……長い間、本当に、お疲れ様。……丹陽」 
  
  
 彼はそう言った後、 
  
  
 「いや……」 
  
  
 優しく 
  
  
  
  
  
 「……雪風」 
  
  
  
  
 私の本当の名前を呼んだ。 
  
  
  
  
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