8:名無しNIPPER[sage]
2015/03/31(火) 18:20:51.88 ID:5f1jLFQY0
  
  
  
  
 私の周りには、真っ暗闇の空間の中に白い煙が舞っていた。 
 どこへ向かえば良いかも分からない。 
  
 これが死なのだろうか。 
 終わってしまえば、何も残らない。何も生まれない。 
 それは自身では理解しているつもりだったし、納得していた。 
 でも、ただでも、あの頃に戻りたかった。 
  
 一瞬でも。 
 毎日が煌めいていた、あの頃に。 
  
  
  
 「……雪風」 
  
  
  
 不意に私の本当名を呼ぶ声がする。 
  
 懐かしい。 
 とても懐かしい。 
 温かく、全てを包み込む優しい声。 
 私は声がした後ろを振り返る。 
  
  
  
 「……うふふ」 
  
  
  
 私の大好きな人、大和さんだ。 
 いつの間にか、私の頬から涙がこぼれ落ちていた。 
 そして、自分自身が幼き頃の容姿になっていることにも気が付く。 
  
  
  
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