226:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:00:06.59 ID:au7xM2SJO
逃げられると追いたくなる。
何故かそうなってしまう僕は、彼女を探して、逃げられて探して逃げられてを繰り返していた。
…そして近づく度に何か描くスピードが上がっていく。
227:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:00:56.03 ID:au7xM2SJO
「おはよ、GACKTさん」
「おはよ」
久しぶりに凛の私服を見た。
228:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:01:52.23 ID:au7xM2SJO
「でも、蘭子はGACKTさんの事嫌いになったりはしないよ」
「うーん…」
「少しだけ、受け入れてあげたら?」
229:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:02:44.95 ID:au7xM2SJO
私物持ち込みとなってから、事務所が人の家みたいになってきた。
クッションやら、可愛らしいデザインの急須やら変な飾りやら。
「おはよ」
230:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:03:29.33 ID:au7xM2SJO
「…あ」
蘭子が綺麗と言ったその花は、真っ白い花。
僕は彼女が好きそうなのはてっきり黒い薔薇とかかと思っていた。
231:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:04:55.13 ID:au7xM2SJO
「そういえば、あの飾りってなあに?」
みりあが指差した方向にあったのは、壁にかけてあった奇妙な飾り。
…釘で留めてなくて良かった。
232:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:05:52.52 ID:au7xM2SJO
それから僕は、凛のアドバイスに従って蘭子を半ば無理矢理連れ出し、彼女が休憩に使う噴水広場に腰掛けた。
日が当たるから嫌なんだけど、まあ彼女のためだ。
しかし蘭子も嫌がるかと思ったけど、普通についてきた。
233:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:06:37.02 ID:au7xM2SJO
「…日が照ってるね」
「……」
無意識に日差しの強さを口にすると、彼女は黙って僕の上に傘を止めた。
234:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:07:25.72 ID:au7xM2SJO
「…正直さ、僕はお前が苦手なんだ」
「…」
「勿論嫌いとかそんなんじゃないよ。でも僕はこういう人間だからさ。嘘ついても仕方ないし」
235:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:08:05.54 ID:au7xM2SJO
「…これ、お前のだよな?」
スケッチブックを僕に手渡し、一仕事終えたような顔になった蘭子は、それきりまた黙ってしまった。
…いや、このスケッチブックに彼女の言葉が詰まっているんだろうな。
236:名無しNIPPER
2015/04/05(日) 19:08:56.27 ID:au7xM2SJO
「…」
「…」
「…」
516Res/319.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。