386:名無しNIPPER
2015/04/09(木) 21:47:11.49 ID:g12cRdScO
「今でも覚えてるよ。まだ出来たてで、無名だった頃に人手が足りなくて困っていた時に君が来たんだ。…君はもう覚えてないかな?」
「…ほとんど覚えてないね」
…覚えてない、というか知らない。
「あの時は驚いたよ。一応会社の面接だというのに長髪にピアスに着崩したスーツ。それと人を威嚇する様な目。おまけにサングラス。…正直困ったよ」
ただのチンピラじゃないか。
僕ってそんな性格だったっけ?
「しかし猫の手も借りたい私達には雇う以外の選択肢が無くてね。…いざ雇ってみたら、一日たりとも遅刻はしない、休まない、愚直に仕事に向かう。…見た目とのギャップに思わず驚いたものだ」
「へぇ」
「ただ、アイドル達からはとても怖がられていたね。無口で、何を考えているか分からないと」
…ボロクソ言われてるなあ。
そりゃ今でもピアスは空けてるけどさ。
「その上一言も弱音は言わないからか、アイドル達も自然に君に気を使って意見を言ったりする事が無かったんだ」
「へぇ…」
「…そんな中、一人だけ君に真っ直ぐ向かい合ってたアイドルがいたのも、覚えてないかな?」
真っ直ぐぶつかってくるオンナか。
悪くないよな。
でもなあ。
知らないんだよなあ。
「…あー…ごめんよ。あんまり思い出せないや。あの時は仕事でいっぱいいっぱいだったからさ」
「ははは。そうかもしれないね。…千川君だよ?」
「え?」
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