過去ログ - 【艦これ】神通「私と提督の、恋」 -SS速報VIP

過去ログ - 【艦これ】神通「私と提督の、恋」

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1: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:15:51.09 ID:EPoFgb1to
神通主役のSSです、激情に揺れる神通の心情描写に挑戦。
地の文・長編SSが好きであればお付き合い下さい。

前作　【艦これ】天龍「オレと、提督の恋」
ex14.vip2ch.com

↑こちらの神通視点でもあります、よろしくどうぞ。

その他　青葉「司令官をグデングデンに酔わせてインタビュー！」
ex14.vip2ch.com

ほのぼの（？）も書いておりますので、宜しければ。
では、初めて行きます。

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2: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:17:14.31 ID:EPoFgb1to
「これ以上あなたと･･･”提督”と話すことはありません、失礼します」

ついさっきまでこの人に感じかけていた好意が、一辺に薄れていくのを感じます。

3: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:18:03.09 ID:EPoFgb1to
尚も話しかけようとするその人の視線を断ち切るように踵を返し、私は鎮守府の門をくぐりました。

ミュールの踵が石畳を叩く音に意識を集中させて。

後ろからかけられる声が努めて耳に入らないように注意を払いながら歩き続けます。

4: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:18:39.65 ID:EPoFgb1to
艦娘ではなく人間と話して、こんなにも気分が落ち着かなくなるのはいつ以来でしょう。

胸の内にあった温かい感情を無理やり打ち消した自己嫌悪を抱えながら・・・。

私は川内型の自室に帰るために早足で歩き続けるのでした。

5: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:20:08.93 ID:EPoFgb1to
何故･･･何故、どうして。

答えのない問が、私の心の中に響きます。

ただでさえ１０時には執務室に集合しなければならないというのに、何故今から憂鬱な気分にならなければいけないのか不満を感じながら。

6: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:20:57.60 ID:EPoFgb1to
【神通side】

早朝、出撃から帰投した私たち軽巡４人は陸に上がり、それぞれの部屋に帰ります。

7: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:21:55.65 ID:EPoFgb1to
夜戦の後の川内姉さんはいつもこんな感じです。

私の力弱い静止を気にもとめず、眠りについてしまいました。

室内はシンと静まり返っていて、眠りに就いた川内姉さんと二人だけで過ごすには寂しさを感じてしまいます。

8: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:24:36.99 ID:EPoFgb1to
私服に着替え、川内姉さんの体に毛布をかけると、私は部屋を後にします。

艤装とは違った落ち着きのあるロングスカート。

そして買ったばかりのミュールが春の装いを感じさせて、私の心をいくらか弾ませます。

9: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:25:27.65 ID:EPoFgb1to
「おはよう、神通･･･朝早くからお出かけ？」

「おはようございます、夕張さん。ええ、ちょっとだけ」

10: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:26:14.96 ID:EPoFgb1to
人間嫌いの天龍さんや龍田さんと比べて、私はたまに人間の街に出ます。

艦娘の詳しい情報は一般人にはほとんど知らされていませんが、私たちの存在が人類の敵

―――深海棲艦に対する兵器であることは知られています。

11: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:26:53.25 ID:EPoFgb1to
「神通ねーちゃん、おはよう！」

「おはよー」

「はい、おはようございます」

12: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:27:37.16 ID:EPoFgb1to
街の中央には、古びた煉瓦造りの時計塔と噴水があります。

お昼の賑わい時には待ち合わせなどで沢山の人が行き交うここも、早朝ともなれば貸切です。

私はいつもここで一息ついてから、その日に寄るお店を決めることにしているのですが･･･。

13: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:28:35.93 ID:EPoFgb1to
どうやら今日は、先客がいるようでした。

私よりも頭一つ背の高い、若い男の人。

顔立ちは柔和な文化系の人ですが、線の細さは感じられません。

14: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 20:29:52.44 ID:EPoFgb1to
すみません少し席を外します、今日中にもう少し投稿します。

15:名無しNIPPER[sage]
2015/04/01(水) 20:34:23.41 ID:8bQRMCBQo
うむ

16: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 21:12:53.99 ID:EPoFgb1to
再開

17: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 21:13:31.04 ID:EPoFgb1to
【提督side】

「何か、お困りでしょうか」

18: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 21:14:10.31 ID:EPoFgb1to
タートルネックのセーターにクリーム色のロングスカートという出で立ちは、年頃の娘にしては少し地味に感じるが･･･。

しかし、少女の持つ清楚な雰囲気に良く似合っている。

こちらを覗き込む際に揺れる前髪に、凛とした顔立ちと佇まい。

19: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 21:14:51.69 ID:EPoFgb1to
「あのう、私、何か失礼なことを？」
「ああ、すみません」

見かねた少女がもう一度話しかけてくれたおかげで、俺は忘れていた言葉を取り戻す。

20: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 21:15:22.41 ID:EPoFgb1to
言ってから、しまったと思った。

こちとら素性も分からぬ旅人である。

年頃の娘さんに対してこの申し出は、怪しまれてしまうのではないだろうか。

21: ◆VmgLZocIfs[saga]
2015/04/01(水) 21:16:06.97 ID:EPoFgb1to
「ありがとうございます」

「どちらまで行かれるのですか？」

「ええ･･･鎮守府の方まで」

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