過去ログ - モバP「イカれた闇鍋メンバー紹介するぜ!」
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◆K1k1KYRick
[saga]
2015/04/02(木) 23:00:51.76 ID:ZCHEpW86o
「こ、これは……?」
杏は菜箸でゴマ団子モドキをつまんで聞いた。
法子が元気良く手を上げて己の罪を主張する。
「あっ、それあたしです! 一番美味しいお店の、小さくて食べやすい
コロコロしたドーナツです! 美味しいですよ」
法子は美味である事を力説したが、それが美味しいかどうかは判断しかねた。
少なくともこの鍋の中でポコポコ浮き沈みを繰り返している団子たちは
その甘い羽織ものを出汁に溶かして大浴場を満喫していた。
「そして、これ……」
杏はオタマでドロリとした赤色のアメーバを掬った。
これは唯一液状の食材にもかかわらず、出汁との同衾を拒否された哀れな存在だった。
「私です。どのような食材が来るのか分からなかったのですが
とりあえず万能な味付けを施せばいいと判断し、無難なものを選びました」
ありすの言葉を聞いて杏とその他のメンバーは頭を抱えた。
一体全体どこをどう捻ればイチゴジャムが無難な味付けの食材と判断できるというのか。
この問いは、形而上的問題として彼女たちを悩ませた。
「本当はイチゴを擦り下ろしてもう少し上品な酸味を演出したかったのですが、問題ありません」
問題しかないありすの発言を脇にやり、杏は再び具材の検証にかかった。
幸い、残った食材は鍋との親和性が高いものばかりに見えた。
「フヒ……私、ホンシメジ、ブナシメジ、入れた……エリンギも、少々。……美味しいよ?」
鍋の隅にこんもりと積まれている茸類を見て輝子は不気味に笑った。
量が多いという問題はあるが、聞けばちゃんと洗って投入したというし
具材的にもアクの薄いものだから比較的良チョイスと言えるだろう。
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