過去ログ - 八幡「……SAO?」材木座「うむ」
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52: ◆a5djlWdzgFam[saga]
2015/04/05(日) 15:26:40.34 ID:2ZDjlYsz0
その後、由比ヶ浜は思ったよりもあっさり『ソードスキル』を発動し、青色イノシシを一刀両断した。
「やったー! ヒッキー、私にも出来たよ!」
解った、解ったから離れましょう由比ヶ浜さん。顔が近いんだよ。
「あれ、雪ノ下は?」
「あ、ゆきのん? さっき『レイピアを取ってくるわ』って言ってどっか行ったよ?」
あぁ……結局死んだのか、例のイノシシくん。敵とは言え、可哀想に……。
「しっかし由比ヶ浜、一撃だったな」
「うん。と言うか、大抵の武器なら一発で倒せるんじゃない?」
「それは俺の武器が弱いと言っているのか」
「いや……あー、でも事実だし。その代わり、ヒッキーは動きが速いからその分で賄えるでしょ?」
「まぁ、それがこの武器の特徴で、俺が選んだ最大の理由なんだがな」
例えば、両手剣使いと短剣使いがいたとする。
両手剣使いが『ソードスキル』を一回発動したとしたら、短剣使いはその間に二回分発動できる。
結局のところチャラなのだが、ここで条件を加えよう。『ソードスキル』の発動中に、相手が攻撃してきた場合だ。
両手剣使いはやむなく『ソードスキル』をキャンセルし、防御に移る他ないが、短剣使いだと、一撃発動した後、回避なり防御なりしてダメージを受けずにすむのだ。
まぁ、こんなシチュエーションも中々無いだろうが、少しでも死ぬリスクを無くすためだ。
いや、だってそりゃあ、常勝無敗とかかっけーじゃん?
どうでも良いけど。
「終わったわよ」
雪ノ下が帰ってきた。うん、イノシシくんオワタね。ホント同情の意しか浮かばんわ、敵だけど。
「なぁ、雪ノ下、お前って何で『ソードスキル』使わなかったんだ? 別にあんな面倒臭い事しなくても『リニアー』で一突きだろ」
そう言うと、雪ノ下の肩はビクンと跳ね上がり、うつ向いてプルプル震えた。
「…………らよ」
「あ? なんつった?」
答えは解っているが、ここは普段のお返しだ。少し腰を屈め、耳に手を当てて聞こえないアピールをした。もう片方の手は短剣に触れ、いつ突いてきても防げるようにした。
「……い……よ」
「えぇ? なんて言いまし__」
「__出来ないからと言っているでしょうこのお馬鹿ーーーーーっ!!」
鞘から全く無駄の無い動きでレイピアを抜いたかと思うと、一気に腕を引き、地を蹴った。
弾丸のように迫る雪ノ下を見て、咄嗟に短剣を引き抜くが、突き出されたそのレイピアを見て驚愕する。
淡いオレンジ色に光っていたのだ。
何故か発動された『ソードスキル』__『リニアー』は、眉間数センチまで到達したが、それを何とか払う事に成功。眼前で火花が散る。
数回バックステップをし、距離を離す。雪ノ下は俺に対しての苛立ちより、自分が『ソードスキル』を発動したという事実に対する驚愕が勝っているようで、レイピアを見ながらポカンと呆然としている。
「(あっぶねぇ……攻撃してくるとは思っていたが、まさかそこで『ソードスキル』が発動するとはな……)」
やっぱり雪ノ下は敵に回してはいけない人物だな、そう感じた瞬間だった。
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