過去ログ - 八幡「……SAO?」材木座「うむ」
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56: ◆a5djlWdzgFam[saga]
2015/04/05(日) 20:56:54.40 ID:2ZDjlYsz0
「え!? え、マジ? やっばどうしよう……」
何か急に焦り出したぞコイツ。
「何か用事でもあるのか?」
「うん、今日クラスでカラオケ行くから、家を5時半に出るつもりだったからさー……じゃなくて! 早くログアウトしなきゃいけないんだって!」
「何1人ノリツッコミやってんのお前……さっさとログアウトしろよ」
ってか、俺は当然ながら誘われてねぇのな。もう慣れに慣れたが。
「うん、そうする……えっと、ログアウトボタン何処だっけ……」
ウィンドウを開き、画面をスクロールする由比ヶ浜。しかし、突如静止したかと思うと、不審がるような顔でポツリと呟いた。
「……あれ、ない」
「は? 嘘つけ、んな訳ねぇだろ」
もしそうだとしたら大問題だ。現実に戻れないという事は、つまりはこのゲームの世界の中に閉じ込められるという事だ。
「ったく、世話のやける……」
俺も既に開いてあるウィンドウを同じようにスクロールする。が、本来ならメニュー画面の一番下にあるであろうログアウトボタンは、確かに存在しなかった。
「……マジかよ」
確か、ログアウトをする方法は、そのログアウトボタンをタップする事以外、無かった気がする。
と言うことは。
「__私達は、ここから出る術がないと、そう言うことになるのかしら?」
「……あぁ」
俺達__無論、この3人のみならず、今現在SAOをプレイしている人間全員が、同じ状況に陥っていると言うことだ。
周りを見渡すと、皆困惑の表情でウィンドウを操作していた。彼処の赤毛バンダナの男なんて、「戻れ! ログアウト! 脱出!」とか叫んだ挙げ句、その場でピョンピョン跳び始めた。いい歳して恥ずかし過ぎるだろ……って、そんな呑気にしてる余裕はねぇか。
「雪ノ下、GMコールはしたか?」
「えぇ。けれど、反応は無いわ。これはもうどうしようもない、お手上げね」
「えぇっ!? そ、そんな諦めないでよ!」
「だって実際問題どうにもなんねぇし。プレイヤー1万人が集まって、まだ出られてねぇんだぞ、俺達みたいな餓鬼がどうにか出来る問題じゃねぇだろ」
「けど……」
まぁ、由比ヶ浜の言いたいことはよく解る。もしかしたら一生ここから出られないんじゃないかとか、不安は募る一方だしな。
「……大丈夫だ、きっとどうにかなる。運営側だって今頃対応に追われてるだろうしな」
その場にしゃがみこんだ由比ヶ浜の頭に、ポンと手を置く。掌に触れるその明るい茶髪は、まるで、現実のようにサラサラとした手触りだった。
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