過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2015/04/24(金) 01:54:33.84 ID:NGKYIe+ko
「あんたを殺して、間違いじゃないんだから」
周子のすぐ眼前に小石が落ちる。
それを合図に瓦礫を蹴りあげ再び接近しようとした義手の女であったが、その脚は動かない。
それどころか、腕も、首も、あらゆる関節が動くことを拒否するように硬直している。
自分の体をねっとりと縛り付けている。
義手の女が視線を周子の方に向ければそれは納得する。
周子から地獄の窯を開けたように恐怖そのものともいうべき人間が忌避するものが滲み出していた。
それは決して実態があるわけでも特別な力でも何でもない。
動物が火を恐れるように、生存本能は恐怖と言う形で生物に備わる。
長きにわたり妖の頂点として君臨してきた周子の殺気は、それだけで生物としての格の差を見せつけ絶望させ、『恐怖』を刻み付ける。
もはやその殺気そのものが周子の武器として昇華され、人心の洗脳に近い事まで可能であった。
感情エネルギーであるカースでさえその一睨みで蒸発させるほどのプレッシャーは、並の人間ならば容易に精神崩壊さえ引き起こすほどのもの。
故に人格破綻者である義手の女でさえも、本能的に体が硬直し動かなくなるのは当然であった。
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