過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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114:>>112修正『問題』→『実際問題』 ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 02:04:45.58 ID:NGKYIe+ko

「しかし本当に今日は妙な日ね。

こんな怪獣大戦争みたいなことはあんまりないわ」

 義手の女は腰のポーチに手を突っ込んで何かを取り出す。
 指の間に納まっているのは小さなガラス玉。それは黒いような茶色いような形容しがたい色で濁っている。

 それを周囲にばらまくと、ガラス玉は地面に落ちず義手の女の周囲に漂う。
 そしてそのガラス球の中から這い出てくるように、中に納まるはずのない大きさの黒鉄の義手が生えてきた。

「だから面倒ではあるけど、出し惜しみは無しよ。怪物」

 周囲に数十もの義手を携えて、義手の女はクラウチングスタートのような体勢を取る。



「正直さ」

 周子は依然殺気を発し続け、義手の女に浴び続けさせている。
 だが義手の女は初めの時点で一瞬硬直しただけであり、すでに常人ならば発狂するようなプレッシャーの中で平常心を保ち続けていた。

「あたしのことを『怪物』って呼ぶけど、あんたのほうがよっぽど怪物じみてるよ。技術も、精神も」

 千年以上の長きにわたり妖怪の王として君臨し続けた周子に対して、凡人では一生かけても体得できない技術と、それを可能にする精神性で追随する義手の女。
 もはや周子にとっても義手の女はただの人間、いや一方的に殺す対象ではなく、余すところなく殺さねばならない相手として認識していた。



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