過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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393: ◆R/5y8AboOk[sage saga]
2015/08/14(金) 03:26:21.97 ID:+FUAmXwk0




 京華学院に派遣されたGDF陸戦隊は、現状で二つに分けられる。

 まず一つ。あまりに大きいブラムの船体周辺を警護する部隊。
 これは、内部で作業を行う技官に被害が及ばぬよう、ヒーロー同盟には出来ぬ数による監視の目を担うための三十人規模小隊だ。

 次に一つ。ヒーロー同盟が制圧したとはいえ、内部に何があるか分からぬブラム内部の本格的な探索、および技官の直衛に着く部隊。
 万一に侵入された場合のパトロールも担当する二十人規模小隊。

 扱う品が品であるが故、到底これだけでカバーしきれるものではなく、増援が到着するのも一時間などという問題ではないだろうが―――少なくとも現時点でこれを相手取るのは、彼らおよそ四十五人の有志達に他ならない。

 して、その内の二十人はと言えば、ヒーロー同盟が突入した道に倣い、今まさに突入せんとする間際であった。



「…で、これがヒーロー共の突入した穴、と」

「正確には、その一つですね」

 わかっているさ。
 内心に呟き、技官の護衛を任務としたGDF陸戦小隊の体長は、戦艦の腹に開く巨大な破孔を眺めた。

 大きさは──五、六人が並んでも大いに余裕ができる程度か…。

 どんな派手さだ。
 地面ごと抉って開く、空間を切り取ったかのような穴を眺めながら思う。
 曲がりなりにも戦艦であるモノに進入口を穿つのにそれ相応の威力を要したのは想像に難くないが───しかし、これは。

「…ウチの手榴弾を使ったとの話だったな」

「ええ、シンデレラの連中が持ってた新型だそうで」

「手榴弾、な…」

 文字一つを意識して、言の響きを確かめるようにそう呟くと、殊更目の前に開いた穴の現実感が遠のくように感じられた。

 ──そう、手榴弾なのだ。
 これだけの穴を開けたのは。
 手のひらに収まってしまうほどの、歩兵の装備なのだ。


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