過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆R/5y8AboOk
[sage saga]
2015/08/14(金) 03:31:32.72 ID:+FUAmXwk0
光。
………――――そいつぁ丸っきりお子様の発想だぜ…
光。
………――――だってあなたのおかげで守られた人がいるんでしょ?…
ヒカル。
………――――これからも……光となって…この世界に平和を、導いて…
…ヒカル…
………――――決まってるだろう……戦う! そして、世界を平和にする!…
…アタシは────……
「お、おーい…?」
「……え?」
微睡みの中に響いた声は、鼓膜を擽った優しい声の波紋に溶き解されていく。掬おうとして、霧散した声の残響は闇の中に消えて行き、それが何であったか、己でも判別がつかなくなる闇の中へと。
ぼんやりと重い頭を身動ぎさせて、鈍い瞼を押し開けた光は「ふふっ、やっと起きたっ♪」と緩く弾んだ声を聞いた。
頭を転がして声の方向を見ると、鼻先まで迫っていた少女の顔が視界を埋めた。少し年上。明るめの栗色の髪と、お人好しげな微笑、険を知らない瞳───知っているひとだ。
あれは確か、ずっと前……傲慢のカースドヒューマンと相対して……自分の正義を『傲慢』と否定されそうになった時の……確か、名前は────。
「…誰だっけ…」
「あれ、顔は知ってるのかな?もしかしてちょっと有名人?なんて、うふふっ!」
他人事のような態度に虚しい物を感じたが、あの時は変身していたのだ、無理はないだろう。と思い出せば、平静は取り繕えた。
「…あ、私高森って言うんだけど…有名人じゃないでしょ?」
冗談めかして肩を竦めた少女───高森。の顔を眺めて、返そうとした愛想笑いは思いがけずに乾いた。まだ頭がぼんやりしている。気持ちの良い笑顔が出ない。よほどよく眠っていたのか…。
つまらない態度だと取られたか、と思いつくも束の間。気に留めないような表情で、少女は「キミ、どうしてこんな所に寝ていたの?」と続けた。
「こんな所…?」
見れば、頬を撫でる風に、視界の端に立つ木、体の下に敷いたのは雑草。学校の建物を少し遠くに眺め、植物に絡め取られた紅い某までもを認められる。───言われてみれば、”こんな所”だった。
果たしてどうしてこんな所で眠っていたのだろうか。
徐々に血の通う頭が記憶を探り、それは恐らく数分前か、数十分前か。確かアタシは。少し前までは確かに学校に居て、カースをやっつけて。
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