過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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396: ◆R/5y8AboOk[sage saga]
2015/08/14(金) 03:34:34.03 ID:+FUAmXwk0

「…アタシは…学校に居たカースやっつけて…」

「へえ、凄いんだ」

「うん…で、遠くにもいるのがわかったんだ」
「…と言うか、ここに」
「だからここに飛んできて…またやっつけて…」

「それで、そのまま?」

「いや、何か考えていたような気がするけど…」

 気がするけれど。
 その先を紡ごうとして記憶を探ると、まるで靄の中に手を突っ込んだような感覚に苛まれた。ここに来てからしばらくの記憶を思い出そうとすると、とたんに不明瞭になる。
 ここに来て、そのまま睡魔に襲われたのだろうか?それほどまでに、疲労していた記憶など無いと言うに。

 ここに飛んできて、向こうには悪の首魁が駆った戦艦がある。何か切っ掛けでもないかと視線をそちらに流し、己の思考を辿ろうとした光は、そこで、最近こうして記憶が飛んでいることがあるな、と思い付いた。
 もっと言うならば、ふとした瞬間にぼんやりしていることが。
 いつからか───そう、自分の所にライトが来てからだ。

 彼の力を借りるようになってから、より直接的に力を振るう機会が増えた。悪を裁き、罪無き人のため、正義のために、秩序のために。
 己の預かり知らぬ所で、知覚できぬ負担が蓄積してたのか。それとも、ライトの力が何やら副作用でももたらしているのか。その辺は、ライト本人に聞いてみれば何かわかるか───。

「───……あれ、ライトは?」

 ふと、手首に目をやる。手首を覆っていた腕輪の重さがない。変身しているのかと思い、次に周囲を見渡した光は、すっかりライトがどこかへと消えていることに気づいた。
 はっと顔を左右に振っていると、高森と言った少女が怪訝そうに光を見下ろした。

「ライト?」

「あ、うん…腕…じゃない。多分、猫」

「猫…多分?」

 曖昧な言葉に首を傾げるも一瞬。得心したように手を叩いた高森は、「それなら!」と言葉を発した。

「私がここに来たときに逃げちゃった猫ちゃんがそうかも!」
「白猫でしょ?」

「ああ…白猫だよ。ありがとう!…探してこなきゃ」

 「写真取ろうと思ったんだけど」と付け足された高森の声を半ば無視して、光は上体を起こす。草埃を払って立ち上がった光は、「あ、探すならあっちかも」と指された方向に顔を向ける。
 再度「ありがとう」とだけ告げて走り去ろうとして、


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