過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆R/5y8AboOk
[sage saga]
2015/08/14(金) 03:43:41.07 ID:+FUAmXwk0
外で巻き起こった爆音は、鉄の箱と化している船体内であっても、壁に穴が空いていればまるで吹き抜けるように聞こえてきた。
物騒な響きを聞き、自分を含めたその場の全員が身体を強ばらせる気配を感じたコードネームセーフ1-1で活動する彼は、何よりも先んじて無線機を起動し、「総員待機しろ!」と怒声を吐き付ける。
了解、との声が聞こえるのを待たずに回線を外の部隊とのそれに切り替え、起動の一瞬だけザッとしたノイズを吐き出して後、「セーフリーダーからパッションリーダー、今の爆音は何か」と食い気味に言った声は、意識せずとも低くなった。
開いた無線の背景からは、連続する乾いた発砲音と喧しい怒声が、生で聞こえる音と重なって微かに聞こえていた。
ごとり、と何か取り落とすような物音の後、『…こちらパッションリーダー、敵襲だ、目的は不明、敵は能力者、現在パッション3、パッション2が交戦中…』と焦りを抑えこんだように思える声を聞いたセーフ1-1は、思わず眉根を寄せる。
「何か指示はあるか?」
『貴官の判断に任せる』
と、早々に通信が打ち切られたのは、すぐそこまで敵が迫っていることの証明であっただろうか。
任せると言うよりは、余裕がないと言うように聞こえたが。あの様子では、部下にいらぬ気分を伝播させてはいないだろうか?
いらぬ心配かとも思いつつ、しかし自分よりは若いらしいパッションリーダーの顔を思い浮かべ、副官がうまくやってくれれば良いが。との思いを拭いきれなかった。
厄介げに鼻息を吐き出すと、その間も惜しむかのように「中尉殿」と自らの副官の声が呼び止め、俄か動揺に揺れている瞳がこちらを覗き込む。
「…ご指示を」
先程まで軽い口を叩いていた声が、震えを押さえ込むように重量を増していたとわかれば、こちらは威厳を演出してやれねばと思われた。───ここで迷うようなことがあれば、小隊のリーダーとして、この場にいる最年長としてのメンツが立たない。
セーフリーダーたる責任感とプライドが入り混じった感情が胸の中で身じろぎする感覚を確かめると、彼は「ひとまず撤収する」と苛々しげに言った。
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