過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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420: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/08/15(土) 22:49:56.15 ID:PWAS3CMco
 緑の蛍光色に近い液体が円筒状のシリンダーに満たされている。
 薄暗い研究室内はわずかな照明の光をその緑が反射することによって怪しく光っていた。
 不気味なその水槽は仰々しい機械と一体になっており、その周囲では絶えず研究者のような身なりの人間がせわしなく動いていた。

 水槽内にはまるで太陽の黒点のような黒い塊が一つ。
 それはゆらゆらと微細に形を変えつつ水槽内の中間で浮遊している。

 その様子を詳しく見れば、泥のような物体であることがうかがえる。
 水と油のごとく、蛍光色の薬液とその泥は全く混じり合うことがない。

「これで調整も最終段階だ」

 他の研究員たちは慌ただしく作業しているにもかかわらず同様の身なりをしているその男だけは水槽の前で、黒い泥をじっと見ながら言う。
 いや、身なりは同じだとは言ったが実際にはそれは白衣だけでしかない。
 その白衣の下には、名状しがたき表情をした美少女アニメのキャラTシャツを着こみ、その髪はまるで整えられておらずくしゃくしゃである。
 おおよそその男を研究者たらしめているのは羽織る白衣だけであり、それ以外は日本の電気街ですらほぼ見られなくなったであろうファッションである。

 だがそのふざけた身なりの男は、眼光だけは鋭くその黒い泥の塊を凝視している。
 それに答えるかのように、水槽内の黒い泥は一瞬大きく揺らめいた。

「まぁ、全く知識もない状態でこの状態を保てていたっていう方がおっどろきーなんだけどねー」



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