過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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495: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/12/08(火) 00:41:02.86 ID:OBJgOl+No


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 その部屋は、外から差し込む光で十分に見通せるほどに小さな部屋だったが、窓から最も離れた入り口である扉側は光が物足りず薄暗い。
 家具屋に行けば簡素な回転椅子と比べて値段が張るであろう見てくれのいい椅子と、あまり使われていないであろうというような真新しさのある艶を醸す木製の机。
 この部屋がそれなりに、重役の個室であることはその様相から見て取れた。

 故に、扉側の薄暗い位置に立つ白い少女は影に飲まれただでさえ薄い色素がさらに抜け落ちているように見える。
 そのせいで俯く表情は、さらに暗い影を落としていた。

 顔には、後悔。そして反省の色。
 少女の表情から察すれば、彼女がこの部屋に呼び出された側であり、それは決して褒められるなどいい意味で招かれたわけではなさそうだ。

「君は、ここに呼ばれた理由はわかっているかな?」

 窓側には、年配の男性が窓の外を見ながら、少女を向けずに話しかけた。
 その口調は少女を糾弾するようなものではなかったが、威厳のある重みを含んだ口調であった。

「……ダー、私が、昨日引き起こしたこと、ですね」

 少女はうつ組む顔を上げず、ポツリポツリと言葉にする。

「ああ、そうだね。君は昨日、偶然会った凶悪な殺人犯と戦った。

その果てに能力を暴走させ、周囲の建物を全部壊してしまったそうじゃあないか。アナスタシアくん」



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