過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/01/16(土) 18:30:40.38 ID:Ah1rtJBzo
その中で、アーニャは思い返す。『思い返せない』ことを思い返す。
自分のルーツなど、誰だって知りようがない。
記憶を探れど、どんな人間でももっとも古い記憶が自我の芽生えの時と言うわけではないのだ。
アーニャが日本にいたころなど、まだ生まれたての赤子のころだ。
その頃の記憶がないことはふつうである。
だが、ある点を境に思い出せないのだ。
5歳の冬、自らの手の中で冷たく横たわる子犬の死体。
命令されたのは、子犬を殺すこと。死に触れさせるということ。人殺しに慣れさせるという名目で行われた『普通の訓練』。
「それ以前は……何がありましたっけ?」
自分が思い出せる最後の記憶。5歳頃の記憶など、明確に覚えていない者など普通にいるだろう。
だが、それが最後の記憶と言うのは、あまりにも遅くないだろうか?
「その日は、ワタシが壊れた日。
そして、あなたの誕生日。9月16日。奇しくも同じ誕生日ね」
本来ならば祝われるはずの日。偶然か否か、その日少女の心は死に、新たな心が乖離した日であった。
「あなたは都合よく改変しているみたいだけど、あの日あの訓練を受けたのはワタシだけ。
辛抱強く血なまぐさい訓練を拒否するワタシに対して、隊長が行ったことよ」
思えば、その頃から『隊長』はアーニャに肩入れしていたのだ。
本来であれば、アーニャは拒否をできる立場では無かった。そんなことをすれば即刻処分か、研究対象となって使い捨てられただろう。
だがそうならないように、影で隊長は便宜を図っていたのだ。
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