過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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602: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 18:37:08.22 ID:Ah1rtJBzo

 当然当時のアーニャもそうであった。部隊に裏切る素振りなんてない。反抗の意志さえない『駒』の一つ。
 だが、アーニャの中にいた『アナスタシア』はその限りではない。
 常に部隊の残酷な仕事に心を痛め、それでも目をそらさず『外』で戦うアーニャを手助けしてきた。

 この狂った境遇からいつか抜け出すため。いつの日にか夢見た、誰もが当たり前に享受できる安寧を手に入れるために。
 そしてその意思は、『外』には決して漏れないため、誰にも怪しまれることはなかった。

 そうして数年かけてようやく廻ってきたチャンス。
 『脱走』は不可能。ならば、部隊から解放されるには『死』ねばいいのだ。


「あの嵐の海に投げ出されて、生きていられるとはふつう思わないでしょう?

そう、普通なら死ぬ。いくらアナタが『不死身』の能力者だからと言っても無事に陸に打ち上げられる確率なんてほぼゼロ。

だけどアナタはここに居る。

偶然にも『あの嵐の海を沈むことなく流れていき』、

偶然にも『能力で死ぬことのないアナタの意識が海中で復活することなく』

偶然にも『生まれ故郷である日本の港にたどり着く』

ここまで言えば、鈍いアナタでもわかるでしょう?」


「……あなたが、意図して、日本まで到達させた?」


  


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