過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/01/16(土) 18:39:50.81 ID:Ah1rtJBzo
そこからは語るに及ばず。
部隊から解放されたはずなのにアーニャは戦うことをやめなかった。
町の人を守りたいなどという、自ら戦いに赴く願いを手に、なおも『アナスタシア』の悪夢は続く。
『隊長』が直接赴いてきた後でさえも、気が付いたのは価値観のズレだけだ。
アーニャは自らの戦いを捨てることはできなかった。
「ああ、そうだ。ワタシはずっと押し付けてきた。
いまさら自分が主人格として返り咲くつもりもなかったし、そのまま緩やかに消えていけたらとさえ思っていたの。
それがどう?『みんなを守る』?『ヒーロー』?
信念も何もない、あるのは捨てられない過去への執着と、自己の存在証明のための解決手段としてのそれ。
それの何がヒーローよ……自分の願いさえ汲み取れない愚か者だというのに」
始まりこそ願いであった。
だがそれが外界に触れずに、何年も強大な力に侵されれば、本質さえも歪める。
彼女の願いは彼女自身のあり方を決して許せなかった。
「せっかく手にした平穏を、自ら捨てる私(アナタ)が嫌い。
ママの思いさえ理解できず、いまだに自分を傷つけ続ける私(アナタ)が嫌い。
過去の経験を捨てることができず、戦闘技術を振るい続ける私(アナタ)が嫌い。
たった今でさえも、何一つ自分の愚かな執着が理解できていない私(アナタ)が嫌い。
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌いキライキライキライキライキライキライ!
でも我慢した。ワタシが押し付けたから。ワタシの責任で私がこうなったのだからって。
我慢我慢我慢我慢我慢我慢ガマンガマンガマンガマン!!!」
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