過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/01/16(土) 19:29:20.40 ID:Ah1rtJBzo
隊長の額から垂れる一筋の赤い雫。
すでに『外法者』の代償は体に現れるほどに、深刻な域に達していた。
何せ今回のは、前回の冬の時とはまるで違う。
アナスタシアと言う個人と戦うのではない。今回はウロボロスという世界のルールそのものに抗うのだ。
先ほどから話している間にも、脳内がフォークでかき回されるような状態だったのである。
「ああ……それとだ」
男は額の血を拭いながら、視線を移す。
「前川みく……と高峯のあだったか」
「う、うにゃあ!?いったいなににゃ?」
みくは突然名前を呼ばれ驚くが、のあの方は無言のまま隊長を見据えている。
「たしか、アナスタシアの友達とか言ってたか」
「そ、そうにゃ!みくとアーニャンは友達だよ!」
「はっ……下らねぇ」
「くだらないとは何にゃ!だって、友達だから……友達が困ってるのなら助けに行かなきゃ!
こんな状況なら、余計に、なにがなんでも、アーニャンに会いに行かなきゃ!」
そう、先ほどからみくは落ち着きがなかった。
昨日の時点ですでに様子がおかしかったのにアナスタシアの今の状況が切迫していると知ってから、いてもたってもいられなかったのである。
話を聞けばなおのこと。たとえ隊長が行くなと言おうと、そんなものは無視するつもりであったのだ。
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