過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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667: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/01/16(土) 19:51:22.58 ID:Ah1rtJBzo


 同時刻のとある公園。

 目立った特徴もない公園では、近所の主婦が談笑していたり、子供たちが駆けずり回って遊んでいる。

 その中の小さなひとつのベンチ。目を凝らしてみれば一人の少女が小さく座る。
 誰にも見向きもされないその少女は、俯いたままただ時が過ぎるのを待っていた。

「アー……私には、何も、無いですね」

 もはや自らの存在は脱皮後のへびの抜け殻と同様であった。
 存在を保っていられるのは、わずかに残ったウロボロスの力の残滓と、掃き捨てられた神の封印、それに付随した天聖気のみである。

 それと残されたのは記憶だけ。
 忌まわしい部隊にいた時の記憶は、ご丁寧に置き去りにしていったのだ。

 自らの存在価値どころか、存在そのものまで失ってしまった彼女はもはや何もできることはない。
 諦観し、ただ時を経つを待つだけであった。

「きっと私(あのこ)は、願いを叶える」

 何も持たない、過去を諦めきれない彼女は何もできない。
 一方で、たった一つの願いを持ち過去を取り戻そうとする彼女は、世界を捻じ曲げてでも勝ち取りに行くだろう。

「だって……戦うことしか、できなかったんだから……」



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