過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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701: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:25:43.01 ID:12lMyB4a0

 生温かい吐息に、イツキは全身をこわばらせた。発情を理性で抑制できぬ、単なる獣に等しい下賤の者を目の当たりにした時と同様の不快感がある。

「……ッ! 離してっ!」

「ダメ、駄目ダヨォ……オレ、ケモノ、ノ、オンナノコガ……ヒィーッヒヒ!」

 黒い人型は極めて興奮状態にあった。イツキの腰や太腿を撫で回していた泥の手が分裂して無数の触腕と化し、好き勝手にその身体をまさぐり始めた。
 イツキは過去の戦いの記憶を呼び起こそうとした。クモ獣人の粘着網、タコ獣人の締め落とし、クラゲ獣人の神経毒。彼女は全て打ち破り、血の海に沈めてきた。
 だが今、牙も爪も無力。いずれ辱められ、誇りなき死を迎えるのだろう。不快な快感に弛緩しつつある心身で、イツキはそれ以上考えられなかった。

「……ウッ! ……フウーッ……フウーッ……カワイイヨ、ケモノチャン……今度ハ中、中デ……アバーッ!」

 恍惚じみた声が突如として絶叫に変わり、イツキを正気に引き戻した。猥褻存在の首から上がなく、その断面は朱色の炎を上げて燃えている。
 一体何が!? 次いで不躾な触腕が爆ぜ、白い灰と化して散った。

「ヤメロ! オレノ邪魔アバーッ!」

 再び悲鳴。身動きの自由を奪っていた黒いヒモ状物体が触腕と同じ運命を辿り、解き放たれたイツキは落下!



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