過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 22:39:14.21 ID:OdbudYhc0
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事務所の一画、金のタテガミを持つ黒いライオンが描かれた衝立に仕切られた応接スペースは、にわかに人口密度を増していた。
天然木材と職人手製ガラスで構成された応接机の上には、シロクマPより受け取った資料の中から選りすぐられた特に重要そうな20枚。
机を挟んで向き合うソファのうち、玄関に背を向ける方に半ば飲み込まれるように座り、イツキは微妙な居心地の悪さを味わっていた。
「……アー、もう少し待っててくれ。何だったら、今のうちに資料にざっと目を通しておいてくれれば……グワーッ!」
イツキの向かいのソファにうつ伏せる黒衣Pは悲鳴を上げた。高浸透バイオ医療湿布を貼り終えた洋子が、彼の背中をバシッと無遠慮に叩いたのだ。
「オイ! もうちょっと優しく」
「これやらないと、なんか締まらなくないですか? さっ、イツキちゃん、始めよっ」
相棒の抗議を軽くいなし、洋子はイツキの隣に座った。黒衣Pも起き上がって座り直し、ヒーロースーツを着込んでいく。
イツキと協力関係を構築するに至ったいきさつは、治療行為の間に洋子から聞いている。事件の性質を鑑みて、黒衣Pは速やかに本題に切り込むことにした。
「エート、イツキさんだっけ。事情は大体わかった。まず、アイドルヒーロー・エボニーレオに関してだが」
イツキは思わず身を乗り出していた。黒衣Pは一瞬の躊躇の後、短く息を吸って口を開いた。
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