過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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709: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:42:52.30 ID:OdbudYhc0

 ……ふと、イツキは手の甲に熱を感じた。いつの間にか重ねられた洋子の手から伝わる体温だ。静かに深呼吸し、顔を上げた。黒衣Pの声。

「と言っても、この件は被害者が揃いも揃って住民タグ無し。要するに、ネオトーキョーに……いや、人間界に存在しない連中ッてことだ」

「……つまり?」

「闇から闇へ。王子はこっちのルールじゃ裁けん。こんな案件じゃ警察も動きたくないだろうさ。巻き添えで市民の一人も死んでりゃ、こうもいかなかった」

 イツキは安堵しかけたが、エボニーコロモの険しい眼光はむしろここからが重大事であると暗に語っていた。
 実際、肝心の王子の居場所をイツキは知らされていないのだ。

「それじゃ、ちと確認だ。現時点で討伐したサイボーグ獣人はオオカミ、ウマ、ツバメ、イノシシ、カメ。うちイノシシとカメは六戦士と同一人物だった」

「はい。アケグチもトホツグも、機械の体になってもニオイが残ってました」

「……そして他の三体についても、同種族の獣人が六戦士の中にいる。偶然じゃなく、同一人物と考えた方が自然だ」

 イツキは無言にして肯定。ここまでの見解は双方で一致している。

「長らく人間界で過ごしていた王子が獣人界の政情不安を知っていたとは考えにくい。おそらく獣人界から来たガイド役がいるはずだ」

「それがサル獣人ですか。確かに、知恵が回る者たちです。王子の危機感を煽り、六戦士を始末させようとそそのかしたのかも」

 イツキは机上の紙を一枚、手に取った。シロクマPによる聞き取り調査結果だ。そこに記された全てがヒントであったのだ。何たる敏腕か!



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