過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2015/04/24(金) 01:24:25.93 ID:NGKYIe+ko
そう言って隊長は再びアーニャに背を向ける。
身動きさえ取ることが困難な豪雪にもかかわらず、隊長はそれをまるで意に介さないかのようだ。
「言ってしまえば夢なんてものは記憶の断片を再生しているようなものだ。
それに価値なんてないし、意味なんてものはもっとない。
誰かと夢で繋がってるとか、夢の中で誰かの声を聴いたとかなんてのは全て自分の想像だ。
自分の願った結果であり、ただの願望。それを持ってる記憶で再現したにすぎない。
お前は今、何を願っている?アナスタシア」
そしてゆっくり歩きはじめ、隊長は教会の扉を開く。
その先は真っ暗闇で何も見えない。
隊長はアーニャに向けて小さく手を振りながら、教会の扉をくぐる。
そのまま隊長の姿は闇に溶けていくように見えなくなった。
それを見計らったかのように教会の扉は勢いよく音を立てて閉まり、アーニャのゆく手を遮っていた豪雪さえもピタリと止んでしまった。
アーニャは写真立てのあるはずの足元をちらりと見る。
代わりにそこにはアーニャを見上げる小さな蛇が一匹。そのとぐろを巻く尾の先は自らの口の中に納まっている。
それを一瞥した後に、アーニャはゆっくりと歩き出して、教会の扉に手をかける。
上を見上げれば雪は止んだものの、依然真っ白い雲に空は覆われていた。
そしてアーニャは誘われるがまま、その教会の扉を開いた。
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