過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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711: ◆PupFZ5BZvyzZ[sage saga]
2016/02/03(水) 22:46:35.62 ID:12lMyB4a0

 ヒノワ・ストリートは常人の三倍の脚力を持ってしても遠い。『二代目』の喪失がこうも響くことになるとは。
 黒衣Pにはさらに懸念がある。オルトロスがヘビ獣人のみならず王子をも確保するつもりであるとして、その手段とは? 考え得る答えは一つだ。
 オルトロスに与する獣人は、サル獣人以外にもいる。ヘビ獣人と戦い消耗した王子を倒す程度には強く、改造素体にされない程度の上役が。

「王子を助けられなくても、ソイツをインタビューしてオルトロスの機密を聞き出すことはできるか……?」

 助けられなくても。然り、最悪の事態は想定しておかねばならぬ。黒衣Pは『代表』ホンゴエ・タコシとの通信回線を開き、本部倉庫の開錠権限を得た。
 ……ババババババババ……ヘリのローター音が徐々に近づき、事務所ビルの真上で最大になった。通信端末に着信……シロクマPだ。

「何から何まで世話になる……トゥオーッ!」

 黒衣Pは窓から飛び出し、ヘリコプターより垂れ下がる縄梯子を掴んだ。間に合うチャンスがあるなら急がねばなるまい。
 シロクマPによれば、獣人コミュニティ内部で調査を継続中のエージェントがヒノワ・ストリートで不穏な兆候を捉えたという。
 カモフラージュ襤褸布を被り屋根の上に展開する複数サル獣人。不自然に封鎖されたストリート。……準備だ。戦いの。少なくとも今、王子は生きているのだ。



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