過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 23:01:53.66 ID:H+PnEL/o0
ヌエ獣人の拳がバーニングダンサーの胸の中心を捉え、軽く突いた。一呼吸の後、踊り子の胸と背が爆ぜ、彼女は血肉を撒き散らしながら吹き飛んだ。
間髪を入れず、ヌエ獣人は再びイツキに牽制の金ボタン投射。だが、ボタン弾は空中で炎に包まれ、灰と化した。
「……なんと。これで死なぬか」
ヌエ獣人は驚嘆した。踊り子は赤ペンキで「米」と書かれたシャッターから身を剥がし、再び立った。胸と背中から朱色の炎が噴き出し、傷を焼き塞ぐ。
「ステージの途中でよそ見されるのって、けっこう傷つくんですよ!」
「ならば、もっとマシな芸を見せよ」
ヌエ獣人の挑発にもバーニングダンサーの心は乱れなかった。唯一にして最大の問題は、火力が上がらないことだ。
サイボーグカメ獣人にカースドヒューマン、朝からの連戦で思った以上に力を消耗していたらしい。クトゥグアの力は使えぬ。
どこまでやれる? 洋子は考えないことにした。視界の端で、イツキは王子のもとへたどり着いていた。もうひと頑張りだ。王子を多少とも安全な所へ。
踊り子は小さく息を吐き、バーニングダンスの構え。鮮血めいて赤い炎が、足元で渦を巻いた。
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