過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆PupFZ5BZvyzZ
[sage saga]
2016/02/03(水) 23:19:51.55 ID:OdbudYhc0
エピローグ
軽快なレトロ・ディスコナンバーも、今や黒衣Pの閃きに何ら刺激を与えることはない。それは一枚の紙を挟んで彼と向かい合うイツキも同じことだ。
イツキは獣人界に帰らなかった。王子シャキョウが忠臣に褒美を与えんとしたとき、彼女は人間界での武者修行を望んだのだ。
王子はそれを拒めなかった。そもそもイツキが人間界を、ヒーローを知ることになったのも、彼が人間界にいたからだ。全ての原因は彼にある。
王子は単身、獣人界へ凱旋した。イツキは改めてアイドルヒーロー契約を望み、洋子も黒衣Pも歓迎した。……そして一週間が過ぎた。
「洋子、そっちはどうだ? ……洋子?」
返事はない。頭を使うことが苦手な洋子は友のため果敢に戦い、力尽きたのだ。応接机に突っ伏し微動だにせぬ彼女の周りには、何冊もの辞書が積まれている。
ヒーローネームはヒーローとしての己を定義しプライベートを隠すヴェールとなる、アイドルヒーローにとって能力やコスチューム以上に欠かせぬものだ。
故に余程の事情なく変えることがないよう、その命名には何より注力する必要がある。
現役時代の名を変えて別人となった黒衣P、野良時代の名をそのまま使用している洋子。二人はゼロからの命名が如何に困難か思い出していた。
「ショウジョウ……緋色……スカーレット……? ……うーん」
イツキも二人以上に頭を働かせながら、己を定義するものを見つけられぬ。王家の忠臣であった頃はそれでも良かった。必要なもの全てが与えられていた。
今は。イツキは理解している。一人の戦士として、ヒーローとして立つために、乗り越えねばならぬ試練だ。
登録書類の残る空欄はヒーローネームだけだ。だが、明日31日までに提出できなければ処理が遅れ、最悪の場合デビュー戦が数週間延期となるだろう。
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