過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆R/5y8AboOk
[saga sage]
2016/02/24(水) 07:54:07.24 ID:ljDzQOQtO
「────…あれ…?」
────と、普段ならばそうしていたであろうビジョンが脳裏を駆け抜けて、しかし。そうしていたとばかり思われた南条光は、一瞬の後、呆然と立ち尽くすままの己の存在に気付いた。
何だ、既に敵の能力にかかったか?
そうやって訝しむ思考が全身を探るも、そうではないとすぐに分かる。
この体に異常はないと言うことが?そんな保証はこの世界においては存在しない。ならば何が分かったというのか?…。
……”この体は初めから動こうとしなかった”。
全身の血から全く激情の熱が冷えているのを知覚すれば、そういう言葉で己を表現したくもなった。
フラッシュバックめいて普段の思考が蘇っただけで、この身一つではそこまでの攻撃性を剥き出しにしようとはしていなかった。
普段ならば、直ぐに攻撃一色に塗り込められているであろう思考も、こうやって己を精査する余裕すらある。
一体どうしたというのか?こうやって呆然としている隙も、目の前にいる奴らも、普段の自分なら容認していいものではないだろうに。
ライトと離れ離れにさせられたから?違う。そんなに臆病な覚えはない。ライトが現れる以前からだって、アタシは一人でだって戦ってきた────。
そうして「ライトが現れる以前の自分」に意識を飛ばした光は、そこで、あの頃はここまで積極的な攻勢に出ていただろうか?…と思い当たる。
いや、出ていなかった。ここまで攻撃的ではなかったし、今ほど短絡的な手段には出ていなかったように思える。
では今の自分はなぜここまで攻撃的なのか?…いや、自分の意志じゃない。そうしろと促していたのはいつだってライトだ。…アタシはそれを受け入れて…ライトは…攻撃的で短絡的?…それは正しい事なのか?…それを受け入れていたアタシ自身は?…アタシ自身も?…正義とは?…そうだ、アタシ自身の意志はどこに?…。
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