過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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◆lhyaSqoHV6
[sagasage]
2016/02/25(木) 08:14:11.83 ID:rhio0V+5o
とある住宅街に、若干うらぶれた一軒の大衆食堂が建っている。
軒先は清掃が行き届いており小奇麗だが、その佇まいは建物の目的に反し、おおよそ人の興味を引きそうにない場末感を放っていた。
店内は昼食時だというに人の数はまばらで──というより、ただ一人の客しかいない。
仁美「……」
その客──女子高生退魔士丹羽仁美は、4人掛けの長テーブルに頬杖をつき、
うららかながらどこか気だるさを感じさせる昼を、呆けて過ごしていた。
『続報が入ってきました!』
食堂の角、天井近くに据えられたテレビから、慌ただしい声が聞こえてきた。
情報番組の類であろうその映像からは、番組進行のキャスターが切羽詰まった様子でカンペを読み上げているのが見て取れる。
『京華学院の敷地内で起こった謎の爆発に関して、ただいまよりアイドルヒーロー同盟が緊急の会見を行うとの発表がありました』
『えー、番組の予定を変更して、これより会見の様子をご覧頂きたいと思います』
テレビの映像はキャスターの言う会見の会場であろう、無機質で飾り気の無い空間を映しだす。
画面中央の壇上では、同盟のスポークスマンと思しき大柄な男性(映像下部には彼の名前か『黒木宗雄氏』のテロップ表示)が、記者の準備が整うのを待っている。
仁美「(京華学院で爆発……? 早めに帰って来ておいて良かったー)」
仁美「(あやめっちは大丈夫かなあ……)」
テレビをなんとなしに見ていた仁美は、京華学院に居る友人の安否を気に掛ける。
彼女の友人である浜口あやめは、現在京華学院で行われている一大イベント『秋炎絢爛祭』に参加しているのだ。
(ちなみに仁美も自校の出展物の手伝いのため先程まで京華学院におり、そこで行われていた草競馬に乱入したりしていた)
会見会場の準備が整ったことを受けて、報道官の男性は開口一番、同盟アイドルのライブパフォーマンスが爆発の影響から中止となった事態を詫びた。
そののち、本題の説明に入る。
『──この度の京華学院における爆発事件に際し、我々アイドルヒーロー同盟に向けてとある組織から犯行声明が送られてきました』
仁美「(犯行声明って……なんか思った以上にきな臭いことになってるみたいね)」
同盟に送られた犯行声明によると、吸血鬼を名乗る存在が何らかの手段を用いて、京華学院の裏山を破壊したのだ──と、男性の説明は続いた。
『我々アイドルヒーロー同盟としましても、今回の爆発に関して、全容を把握出来かねている状況ではございますが──』
『事態の早期究明と収束を、皆様にお約束させて頂きます』
報道を聞く一般大衆の不安感を和らげるためか、男性の語り口は威厳と自信に満ちている。
ともすれば、この騒動は同盟のパフォーマンス──秋炎絢爛祭におけるイベントの一つなのではないかと考える人間も出てきそうなほどだ。
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