過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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82: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:33:56.13 ID:NGKYIe+ko

 そんな気楽な気持ちで、とりあえずアーニャに近づいて生死を確認しようとする義手の女。


パキッ


 だがアーニャに近づこうと歩を進めた義手の女はこの場に不釣り合いな何かが割れたような音に足元を見る。

「なに、これ?」

 そこにはすでにこの場にお馴染みである血だまりであった。
 しかしそれを踏んで水が跳ねるような音ならばともかく、氷が割れるような音がするのは明らかにおかしい。

「氷が、張ってる?」

 その血だまりの表面は赤色で分かりにくいが、薄い氷のようなものが張っていた。
 それは義手の女が踏んだことによって、蜘蛛の巣状にひび割れその存在がより鮮明になっている。

 そしてそれはあまりにもこの場に似つかないものであった。
 血液は空気に触れれば比較的早くに凝固する。
 氷のように水たまりの表面だけが凍ることなんてない。本来傷口をふさぐために血小板が凝縮する作用が一般的だ。
 だがこの血液は、瞬間的に冷気を浴びせたかのように表面だけが結晶化している。無論周囲はそんな気温ではないし、液体窒素か何かを誰かがこぼしたなんてこともない。

 義手の女はその場に片膝を着いて、その血液の結晶らしきものを手に取る。



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