過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part12
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92: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2015/04/24(金) 01:42:02.54 ID:NGKYIe+ko

 淡々と一言、義手の女は愚痴でも言うように口にする。
 高速で振り上げられた左の腕は、同様に高速で迫りくる竜の尾を一瞬撫でる。竜の尾の先はその動作によって切断される。
 切断されても残った尾は勢いは落ちず女に迫り来ていたが、その残った尾を女は右手で掴んだ。

 そして義手の女は鉄棒で前周りをするかのごとく、尾を支えとして一回転。
 完全に肉体にかかる勢いをその回転で殺し、義手の女は高速で動く尾と一体となった。

 アーニャの高速化された思考の中でも、ほんの一瞬のうちに行われた刹那の妙技。
 あまりに荒唐無稽な技を繰り出した義手の女に驚愕し、アーニャは一瞬対応が遅れる。

「『光行(コウギャ)』」

 そう、その一瞬。まばたき一回する程度の時間であった。
 気が付けば義手の女はアーニャ自身の尾のほぼ根元、目の前で直立して立っていた。

 当然先ほど尾を振り回した慣性力は残っており、それに直立するなどマッハを超える戦闘機の上に直立しているようなものである。

「『クエロ・ヒール』」

 引き伸ばされたスローの意識の中で、まるで義手の女だけ通常の時間のように動く。
 女の放った後ろ回し蹴りは腹部を捉え、内臓全体に響くような激痛と共に胃酸と血液が逆流してくる。

「『アグ・ドグ・ブリグ』」

 すくい上げるように4本の指が顎の下を捉えて、肉を貫通して口内へ侵入してくる。
 そして口内を掻き毟るように、舌と歯茎を根こそぎ剥ぎ取った。



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