過去ログ - 【艦これ】整備兵「鎮守府で働け?」提督「そうだ」
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932: ◆B/dahWeduk[saga]
2015/11/11(水) 01:10:00.55 ID:5/dh4Sco0
女神「どうしましたか……?」

整備兵「龍驤と資料室だ。急に訓練が減ったとかで、久々に龍驤と本を読んだ。工廠関連の新しい本を龍驤が何冊も見繕ってくれていて……その日の整備は、快調だった」

女神「さて……?」

整備兵「本を読んだから、技術が向上したって言うのか?……そんな馬鹿な」

女神「私はさっき、妖精や艦娘の原動力は何だと言いましたか……?」

整備兵「かつての人間達の、痕跡……」

女神「その通りです……。さらに、工廠の妖精達に関して言えばより狭まるのですよ。分かりますか?かつての工員達の痕跡とは、整備という職務への誇り、機械への情熱……そして何より、彼らが抱いたそれらの感情が、彼らの命と共にこの世から綺麗さっぱり消えていくことへの恐怖だったのですよ」

整備兵「恐怖……?」

女神「彼らはもはや、誰かにそれらの感情を語り理解してもらうことなど出来ないのですよ。彼らは既に、人間ではないのですから……。ですが、あなたは……整備兵であるあなたは、彼らが過去に抱き、一度たりとも忘れることなく今も持ち続けているのと同じ誇りや情熱を持っていました」

女神「そしてあなたは資料室で、暮の工廠について情報を集めました。この地で轟音と慟哭の中に消えていった暮の工員達の足跡を、歴史という形でたどりました。人間としての彼らを想い、彼らが何を考え何を成したのかに思いを馳せました……」

女神「そう。あなたは、妖精のあらゆる言葉と技術の源泉、彼らの言わば最も深い部分に触れることが出来たのですよ……。現在の人間が唯一、過去の人間の素顔を僅かながら垣間見ることのできる手段……知識によって」


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