過去ログ - 梓「憂、もう帰ろ?」憂「…………」
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10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 00:08:28.44 ID:A/teO6r30
「つらそうだね…」
唯が運んできてくれた果汁100%のオレンジジュースと、
カバに似たなんの動物かわからないキャラクターの描かれたガラスのコップ。
いつから家にあったのだろう。きっとこれを買ったのは姉だ。
小さい頃から一緒に育ってきたのだから、姉の好みはよく知っている。
唯はコップにとぽとぽジュースを注ぐ。
ぶくぶくと泡が生まれて浮かび、消えた。
よいしょ、憂は小さく声に出してなんとか身体を起こす。コップを手にとって、一気に飲み干した。
一瞬、生き返った心地になる。
「おいしい。ありがとう」
いつだったか、昔。風邪をひいて寝込んだことがあった。終始心配そうに自分を見つめていた姉。
あのときの表情、記憶の中にある姉と目の前の姉はなにも変わらなかった。
あのとき作ってくれたおかゆの、風邪ひきには少し濃すぎる味付けは今でも忘れられない。
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