過去ログ - 咲(35歳)「……」
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89:名無しNIPPER[sage]
2015/04/17(金) 08:08:50.91 ID:dJLwvlwVo
地元、長野で迎えたお茶会
リーダーはやりが結局破局、誰も恋人を作れず惨敗だった
実家に響く両親のため息、Twitterから聞こえる「今年も処女確定!」の声
終電で帰り始める淑女達の中、アラサーの宮永咲は独りベンチで泣いていた
清澄で手にした青春、親友、感動、そして何より甘酸っぱい想い・・・
それを今の宮永が得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」宮永は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、宮永ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃ」宮永は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、宮永はふと気付いた

「あれ・・・?試合が中継されてる・・・?」
ベンチから飛び出した宮永が目にしたのは、出入口まで埋めつくさんばかりの観客を写すモニターだった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように各校の応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする宮永の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「咲、出番よ、早く行きなさい」声の方に振り返った宮永は目を疑った
「ぶ・・・部長?」  「なんじゃ咲、居眠りでもしてたのか?」
「そ・・・染谷さん?」  「ひどいじぇ咲ちゃん、和ちゃんが頑張ってるのに」
「優希ちゃん・・・」  宮永は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
先鋒:片岡優希 次鋒:染谷まこ 中堅:竹井久 副将:原村和 主将:宮永咲
暫時、唖然としていた宮永だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「できる・・・できるんだ!」
京太郎を抱きしめ、卓へ全力疾走する宮永、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている宮永が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った


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