17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 18:16:01.23 ID:lE2tgw5So
私はため息を魂が抜け落ちるほど長く吐いてから、ボディソープを手に取った。
フランス語のラベルに描かれた
貝殻の中のヴィーナスがやけに挑発的な笑みを見せている。
視界の隅でことりが爪先を浮かせて脚を伸ばす。
腕も張り上げながら息をもらす身体の重心を崩さぬうちに、ようやく事をはじめる。
ことりの肌はやわらかな明かりを被けて、
みずから淡い光を放っているように見えた。
体温の発する光は、月明かりより壊れやすく、
私はいつだって手を伸ばすのをためらってしまう。
すでに編み込まれた髪の毛から、
滴がしたたり落ちては背中をつつと流れてゆく。
この子の肌に触れる度に、吸いつくような柔らかさにくらくらする。
その感触は、私のかたい皮膚とはまるで違うものなのだ。
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