31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/05(日) 18:22:13.36 ID:lE2tgw5So
ざぶざぶとあふれる水流の音が引くまで、私たちは何も言わなかった。
向かい合った反対側で、ことりが静かに見つめている。
その後ろの窓からは、曇りガラスごしにも分かるほど月の光が滲んでいた。
あの雨雲は気づかぬうちに過ぎてしまったらしい。
明日はきっと、日本晴れだろう。
ことりが水の中で伸ばす右手を掴まえながら、月の光から目を離せずにいた。
明日はきっと、もう、こんなことは。
「……あの、あなたはどうなのですか?」
え、なにが、とことり。
気を遠ざけたくて無理に口にしたけれど、自分でもなんだか分からない。
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