過去ログ - 阿武隈「北上さんなんて、大っ嫌い!!」
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16: ◆HI6v9/MjlsQY[saga]
2015/04/06(月) 14:21:24.58 ID:SYste83AO
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着任初日。

小さな背中に大きな荷物を背負い、提督の執務室のドアの前に立った阿武隈は、手鏡を取り出して前髪を整えてから、深呼吸をした。

「……そんな緊張しなくても大丈夫だってば。うちの提督、見た目はいかついけど、割と大らかっていうかフレンドリーだから」

五十鈴が呆れたように阿武隈を見下ろす。

「だって、初対面の印象でだらしない子だって思われたらやだもん!ねえ五十鈴お姉ちゃん、あたし大丈夫かなぁ?前髪おかしくない?」

「だいじょぶだいじょぶあんたはちゃんと可愛い。……ほら、行くわよ」

ノックした後、「失礼します」と五十鈴が扉を開ける。

「こ、こんにちはっ!!軽巡、阿武隈です!!」

ぶんっと勢いよく金髪お団子ツインテールの頭を下げた後、かぁっと顔が熱くなる。

……しまった、「こんにちは」じゃなくて「はじめまして」だった。

それにどうせなら抱負とか自己アピールとか、もっと気の効いた言葉を付け加えれば良かったのに。

ああ、ドアを入るところからやり直したい。


……だが、いつまで経っても返事は返ってこなかった。

「ちょっと、提督は?あたし、この時間に着任の挨拶に来るってあんたに伝えてなかったっけ?」

「あー!ごめんごめん、提督に言うのうっかり忘れてたわ。今、大井っちと一緒に工廠に行ってるけど、そろそろ帰ってくると思うよー」

「……もう!せっかくあたしの妹が着任したっていうのに!あんた一応主席秘書艦でしょ?適当なのもいい加減にしなさいよ……っていうか阿武隈、あんたいつまで頭下げてんの」

「ふえっ!?」

顔をあげると、まず正面の壁にかかった「夜戦主義」という大きな掛け軸が目に入る。

その下には提督の席だろうか、立派な机と椅子があり、椅子ではなく机に一人の少女が腰かけて、脚をぶらぶらさせていた。

この人が秘書艦……なのか?



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