過去ログ - 比企谷 「やはりとある魔術の友達が少ないソードアートオンラインは間違っている?」
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5: ◆yiZ/LqHGdM[sage saga]
2015/04/06(月) 20:36:41.42 ID:b9ecMGpi0
オレンジ色の照明のみが申し訳なさそうに光源となっている薄暗い一室の中央で、巨大なビーカーの中に人間がさかさまに入ったような状態で水の中を浮遊している聖人にも罪人にも、大人にも子供にも、男性にも女性にも見える『人間』がいた。

隠世と呼ばれる漆黒の世界にいた魔神はその『人間』をアレイスター・クロウリーと呼称した。

そしてアレイスターは目の前に現れているSoundOnlyと表示されたホログラムを眺めながら、ホログラムの画面の向こう側にいるであろう人物達と話し合う。

ホログラムは合計四つ表示されていた。

そのうちの一つから低く無機質な声が聞こえてくる。

「それでは、手筈通りでよいかな? アレイスター君」

「私は構わないさ。しかし、他の者たちこそ良いのかね? これはイチかバチかの勝負でもあるのだよ」

 今度は別のホログラムから野太く活気ある誠実そうな声が聞こえてきた。

「私は娘と友人の息子の中を深めてくれさえすれば十分だ」

「いざというときは私がでどうにかしよう。おそらくは私の助けなく彼らは成長を果たすと思うがね」

 その言葉に三つめのホログラムから活発で建気な女性の声が聞こえてくる。

「そう簡単に変わってくれるかはわからんぞ。特にうちの生徒の比企谷は手こずるかもしれんな」

「それぞれが干渉しあえば別の結果が生まれる。我々はそれを確認するためにこうして集まっている」

「……」

四つ目のホログラムからは終始無言で何も聞こえてこなかったがアレイスターの言葉に全員が賛同したのは確かだった。

利害の一致という名目での協力関係。互いに何を考えているかはわからない。

それでも干渉しあった先に何が生まれるのか。

まだだれもわからないその結果を追い求める四人は、互いを利用しあって自分たちの観察対象にとっての最適な環境を整え始めるのだった。

 三つのホログラムが消え去ってからしばらくした時。

「……」

 四つ目のホログラムにむけアレイスターは告げる。

「頼んだよ。観測者《オブサーバー》」

「……」

 返事はなかった。

プツンッとアレイスターの目の前からホログラムの画面が消え去る。

それを確認してか、アレイスターは告げる。

「さあ、楽しい楽しいゲームの始まりだ」                      


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