過去ログ - 白菊ほたるの場合【R-18】
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12: ◆Freege5emM[saga]
2015/04/06(月) 22:42:34.70 ID:Busjx15yo

「あっ……茄子さん、そこ、はっ」
「この間は、私がこのあたりに跡をつけてしまいまして、プロデューサーさんに怪しまれたんですってね。
 ごめんなさいね。でも、フォローはちゃんとしておきましたよ」

薄い上着ごしに、ほたるちゃんの硬く脆そうな鎖骨を撫でます。
彼女の呼吸が緊張で乱れているのが、首筋の肌の浮き沈みからわかります。
彼女のうなじに顔を埋めると、まだ子供じみた甘ったるさが微かに鼻をくすぐりました。

「だ、ダメ、ですっ、そんな、さ、触り方……っ」

こうしてぎゅっと触れ合っている間なら、ほたるちゃんの内心だって見透かせる気がします。
私の手で収まる程度の胸のふくらみに、そろそろと指を近づけると、
ほたるちゃんは反射的に私の動きを抑えました。
手首の筋に、関節に、爪先に、動揺が浮いています。

「いやらしいこと、考えてしまいました? 女同士、ですのに」

ほたるちゃんの耳に、吐息ごと意地悪を流し込んでやったときの、
彼女の表情はまた格別ですね。哀願と当惑の入り混じった目つきがたまらないんです。

「やめて……やめて、ください……っ」
「まーた、眉根に皺がよっちゃいましたね。それは、いけません」

ほたるちゃんのささやかなお胸の、下のふくらみの方に手のひらを貼り付けると、
薄い上着と下着越しにも、ほたるちゃんの心拍が伝わってきます。

「こうされるのは、お嫌ですか」

ほたるちゃんの鼓動が、早鐘のように乱れているのを感じて、
私の顔が勝手にほころんでしまいます。

「だって……こんなの、ぜったい、おかしいですよ……」
「そうですか? 私は、ほたるちゃんにこういうことしたくてたまらなかったんです。
 もう、ここしばらくずっとこんな感じなのを、我慢してたんですよねー」

ほたるちゃんの表情は、とても痛ましい歪み方をしました。
ガラスにヒビが入ってキラキラするような感じです。
これは、慣れないスキンシップへの戸惑いだけじゃないですね。

「そうなんですよ。ほたるちゃんには、なるべく優しくしてたつもりなんですが、
 その中には、あなたをこうしてしまいたい下心なんかも、混じっちゃったりして」

いったん胸から手を外して、ほたるちゃんの肩を抱きつつ、
前に慰めてあげたように、さらさらのショートヘアを撫でてあげます。

「茄子さん、そんな……そんなのって、私っ」
「この事務所に入って、私と出会ってしまったのが、あなたの不運だったのかも知れませんねー」

いつか、ほたるちゃんは『茄子さんと出会えて本当に嬉しい』とか言ってくれましたが、
さぁ、彼女は今この瞬間でも、同じ台詞を言ってくれるんでしょうか。

「ねぇほたるちゃん。今、あなたのことを食べてしまったら、どんな味がするでしょうか?
 あなたが不幸なら、蜜の味――きっと喉に張り付いて癖になるほど、あま〜い味がしますね」

私が舌先をぺろりと出すと、ほたるちゃんは鏡越しにそれが見えたのか、
目に見えて両肩を震わせました。

ほたるちゃんは、私の舌がとても恐ろしいようです。





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