過去ログ - 退廃した世界で -SS速報VIP

過去ログ - 退廃した世界で

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26:名無しNIPPER[saga]
2015/04/09(木) 23:52:31.80 ID:CDdpzhQU0
「なるほど、ここは賑わっていますね」
「ええ、この酒場はこの居住区で一番大きい場所なんです」

　即席で寄せ集められたような統一性のないテーブルや椅子。
　それが倉庫跡のような広い建物の中に詰め込まれている。

以下略

27:名無しNIPPER[saga]
2015/04/09(木) 23:56:11.07 ID:CDdpzhQU0
「そうですね、それを知ることができれば我々の生活にも役立つことになるでしょうし、大切なことです。
それにしても――　確かになぜ我々はコロニーという集団を形成し、そしてその中で暮らすことに固執しているのでしょうか……」
「コロニーの外は人が暮らすことができない環境だから、というのが一般的ですが」
「――実は他の支部で、外の世界を調査に出た者がいるんです」
「本当ですか？」

以下略

28:名無しNIPPER[saga]
2015/04/09(木) 23:58:50.44 ID:CDdpzhQU0
「――それでなぁ、そこで俺は言ってやったんだ！」
「はぁ――」

　俺たちのテーブルへ加わる一人の男。
　テーブルや椅子がミニチュアに見えてしまうほどの大柄な体躯と、既に空けられた酒ビンの数々……

以下略

29:名無しNIPPER[saga]
2015/04/10(金) 00:02:11.56 ID:HHJThEkE0
「奴らも俺の強さを悟ったんだろうな、後ずさりして逃げていったよ！」

　ガハハハ、と豪快に笑い、後はいかに自分の凄さを知らせるか……　というような内容の話しか語らなかった。

「そうですか――　ありがとうございます」

以下略

30:名無しNIPPER[saga]
2015/04/10(金) 00:04:43.90 ID:HHJThEkE0
（――それじゃ大袈裟かもしれませんが、幸運を祈ります）

　支部の仮眠スペースで一夜を明かし、その翌日。
　昨日男と約束を交わし、その待ち合わせ場所となった昨晩の酒場へ向かう。
　支部を出る前に支部長から掛けてもらった言葉が蘇った。

以下略

31:名無しNIPPER[saga]
2015/04/10(金) 00:07:17.90 ID:HHJThEkE0
（実物……　初めて見た）

　スリングが掛けられたボルト式のライフル。
　男はそれを背負っていた。
　自衛用ということであろうか。

以下略

32:名無しNIPPER[saga]
2015/04/10(金) 00:10:54.97 ID:HHJThEkE0
「確かこの辺りだったはずだ――」

　退廃した居住区を抜け林へ入り、獣道をかき分けながら更に奥へ。
　そうすると獣道は次第に険しさを増し、やがて行き止まりとなった。
　目の前に広がるのは鬱蒼と茂る原生林のような森。

以下略

33:名無しNIPPER[saga]
2015/04/10(金) 00:14:06.20 ID:HHJThEkE0
「やっぱり……　突然来ても何もないですよね――」

　これは早計だった。
　冷静に考えればすぐに分かることだ。
　情報が少ない中でここへ来ても何も収穫がないことに。

以下略

34:名無しNIPPER[saga]
2015/04/10(金) 00:15:43.44 ID:HHJThEkE0

「そうだな、帰るか！　あの世へ――」

以下略

35:名無しNIPPER[saga]
2015/04/10(金) 00:18:10.70 ID:HHJThEkE0
「――な」

　何で？

　視界は揺らめき、キーンという高音がして、スローモーションで流れる時間。

以下略

36:名無しNIPPER[saga]
2015/04/10(金) 00:20:59.63 ID:HHJThEkE0
「金目のモンは全部頂くとするぜ？　いい教育になったな――　つってもお前は死ぬから意味ないけどな！　死人に口なしだ！」

　そんな――
　俺は騙された！？　全部男の嘘だったのか……
　この男は追い剥ぎだったのか？　獲物を確実に捕まえるためにあんな話をして――

以下略

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