12: ◆RgbN3UL7FV4p[saga]
2015/04/09(木) 16:07:32.80 ID:UzhohkI0o
改めて彼を観察してみると、最近の彼は気分が浮かないようだ。
時々物憂げな表情をしてみせたり、不安そうな顔を覗かせたり、無理して笑顔を作ってみたりしている。
彼がそんな表情をするたびに。私の心は酷く掻き乱され、彼を抱きしめてやりたい欲求に駆られるのだ。
ただ、権現坂に「そのような行為は人前でやって良いものではない!」と厳命されてしまった。
そのために、その欲求を実行に移すことが出来ずに、私は悶々とした時間を過ごしている。
こんな感情は知らなかった。アカデミアではこんなことを教えてくれなかった。
赤馬零児が言うには、この感情こそが「愛」らしい。つまり、私は遊矢を愛してしまったためにこのような悶々とした時間を過ごしているということになる。
愛というものは、もっと時間をかけて育まれるものだと思っていたが、私は遊矢と出会って、本当に短い時間で彼を愛してしまっている…ようだ。
…正直、今すぐにでも彼のもとに駆け寄りたい、抱きつきたい、抱きしめたい。
でも…私が遊矢を愛しても…きっと遊矢は私のことを愛してはくれない。
彼が愛しているのは柚子だ。先日、赤馬零児にぶつけた遊矢の叫びを、私ははっきり覚えている。
遊矢は苦しんでいる。私が欲求のまま抱きついたら、かえって彼を困らせてしまいそうで、怖い。
セレナ「…」フトンバタバタ
スタンダードは面白い。ずっとアカデミアに幽閉されていた私にとって、知らなかったことが本当にたくさんある。
だけど、こんな感情まで知ってしまうことになるなんて、想像もしていなかった。
この感情はずっと…私の中でくすぶり続けるんだろう。
セレナ「…遊矢…」
駄目だ。彼のことを考えるだけで悶々としてしまう。ちょっと、外の風に当たって頭を冷やしてこよう…。
40Res/32.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。