過去ログ - 睦月「私は最強だー!」 上城睦月「艦娘?」
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27: ◆li7/Wegg1c[saga]
2015/04/09(木) 19:30:29.18 ID:01h3G0yd0

だが、ヨシノはまだ諦めてはいなかった。

「くっ・・・。まだだ・・・! この鎮守府にいる他の幹部たちさえ来れば・・・!」

「その別働隊なら、ここよ」

長髪の美女が、黒焦げになった男達を引きずって現れる。

彼等はことごとく縄で縛られ、まるで干物のような有様だった。その手には焼け焦げたガイアメモリもある。

「アンタは・・・?」と仁藤。

「私はミーナ。財団Xに、嘗て実験台にされていたクォークスの生き残りよ・・・!」

「まさか・・・超能力兵士ごときに・・・俺が・・・」と、中年の男は呻く。

「これ以上、私や克己のような悲劇は繰り返させない!」
力強く、ミーナは宣言した。

「ハナダ、クサカワまでもが・・・!ならば、金剛型2番艦!」ヨシノが渾身の力で叫んだ。

彼の目の前に、祥鳳が嘗て出会った短髪の少女が現れる。

「ハハハ! こんなこともあろうかと、私専用の洗脳プログラムを仕掛けておいて助かったよ! さあ比叡よ、今こそ目の前の敵を倒せ!」
(まさか、比叡さんが・・!?)

祥鳳は目の前が真っ暗になるような絶望感を覚えた。あの心優しく強い人までが敵に回るなんて・・・!

だが、彼女の心配は杞憂に終わった。

比叡はヨシノの前に足音を立てて迫り、「司令には!操られたりなんか! しませんっ!!」と、怒りをこめて鉄拳を叩き込んだ。

「くっ・・・、な、なぜ・・・!?」

万策尽き、吉野は力尽きて床に倒れた。

「祥鳳さん!お久しぶり!」

祥鳳に向き直り、比叡は明るい笑顔を向けた。

「比叡さん!」

「私も捕まって動けなくなってましたけど、橘さんが助けてくれました!」

比叡に続いて、仮面の戦士・ギャレンが歩いてきた。

「危ないところだったが、歌星くん達と協力して、なんとか艦娘の洗脳プログラムを解除する装置を開発できた。これで彼女達は自由だ・・・!」

「ったく、おせぇっつーの・・・」憎まれ口を叩きながらも、安心した様子でビーストが言う。

周りを見渡すと、艦娘達は次々と目を覚まし始めていた。

天龍や龍田、青葉や伊勢や龍驤らも目を覚まし、鎖を早く外せと喚き出す。ギャレンや比叡が慌てて駆けつけ、囚えられた艦娘達の解放に回っていった。次々に自由になってゆく少女達を見て、瑞鳳も安堵した。

「そっか・・・。私達、もう戦わなくていいんだね・・・!」

目を覚ました瑞鳳が、ホッとしたようにつぶやく。その目の前には、姉がいた。

「そうだよ。これからは、ずっと私が守ってあげるからね・・・」

「お姉ちゃん・・・!」

「瑞鳳・・・!」

そんな姉の言葉に安心したのか、瑞鳳は静かに姉に抱きついて泣き出した。

そんな妹を優しく抱きしめていた祥鳳もまた、涙を流していた。

戦いで引き裂かれた悲しき姉妹に、ようやく安息の時が訪れたのだ。

「良かった・・・」
その様子を見て、真由は涙ぐんだ。

自分にはもう二度と訪れない幸せを、あの姉妹が掴んでくれた。

あの姉妹は、大切な存在を失わずに済んだ。それが、たまらなく嬉しかった。

「・・・やったな、真由ちゃん」

仁藤は涙に濡れる少女の肩を優しく叩き、励ましてやった。



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