過去ログ - 睦月「私は最強だー!」 上城睦月「艦娘?」
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48: ◆li7/Wegg1c[saga]
2015/04/09(木) 20:04:35.98 ID:lcVLe95d0



レンゲルがいなくなり、睦月には何一つ盾がなくなった。だが、それでも睦月は怯むことはなかった。一歩ずつ、ケルベロスの前へと歩み寄ってゆく。

「睦月、諦めるがいい・・・! まぁ、今生の別れぐらいはさせてやろうか」

ケルベロスVは睦月を噛み砕こうとすらしなかった。最早、勝った思い込み、余裕を見せているつもりなのだろう。

「吹雪ちゃん・・・! お願い目を覚まして!!」

「睦月・・・ちゃん?」

吹雪は、焦点の定まらない目で睦月を見つめた。

「吹雪ちゃん! 私だよ!睦月だよ! 今助けるから!」

「ごめん、もう無理みたい・・・。私はいいから、逃げて・・・」

吹雪は既に何もかも諦観していた。艦娘の真実を伝えられて、彼女は絶望していた。

何もかも、自分が頑張ってきたことは全て茶番だった。その絶望が、彼女から全てを奪い取っていた。

「いや! 絶対に逃げないよ!」

それでも睦月は吹雪に叫び続ける。彼女はなんとしても友達を救いたかった。

彼女の心を、仮面ライダーレンゲルが知らずのうちに支えていた。彼の勇姿が、同じ名を持つ少女にも勇気を与えていたのだ。

「いいよ・・・。どうせ私、もう役にたてないもん・・・! 私なんか、こうなるのが運命だったんだから・・・」

「そんなの関係ない! 私は吹雪ちゃんを・・・、友達を守りたい! もう二度と、誰も失いたくなんかないの!」

「睦月ちゃん・・・!」

吹雪はそれでも動こうとしない。

「みんなで一緒に帰ろう! 夕立ちゃんや金剛さん達と、みんなで!」

「くっくっく・・・。お別れは済んだようだな・・・! では死ね!!」

ケルベロスが左の頭で睦月を咥える。

「きゃあああ!!」

「睦月ちゃん!」

睦月は噛まれた。何とか拘束から逃れようとあがくが、牙は彼女を縛り続けた。

それでも、彼女に諦めるという選択肢はなかった。
「運命なんかに負けない・・・! 私、絶対に友達をあきらめないから・・・!!」

睦月は偶然自由になっていた腕を必死で動かす。

その手には12cm単装砲が装備されていた。その手を伸ばし、渾身の力でケルベロスの目に接射で弾丸を撃ち込んだ。

「ぐぉぉぉぉっ!」

当たった。さすがに至近距離からの目のダメージは痛むのか、ケルベロスは睦月を離してしまう。

睦月はなんとか着地し、そのまま吹雪を縛っていたワイヤーにも銃撃を放った。

吹雪を拘束していたワイヤーがちぎれ、腕が自由になる。そのまま吹雪は拘束から解き放たれ、ゆっくり下に落ちた。

「ぐぅ・・・、まさか・・・!?」

ケルベロスの体に生えていたトゲが抜け落ちてゆく。エネルギー供給源だった吹雪を失い、その体は少しずつ弱っていった。




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