10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/04/10(金) 00:51:30.73 ID:qg5Ptqqq0
おれは思わず面喰ってしまった。
家は知っていてもおかしくはない。何度か送り迎えしているうちに、家を途中で寄る機会があったからだ。
だが、今夜のことが頭の中をもたげたのだ。
おれのことを笑ってくれるだろうか、まさか春香もおかしくなったってことはないはず、だ。
一歩一歩近づいていくうちに、心臓の鼓動が早くなっていくのが感じられる。
おれは祈るような心持ちで、春香の前に立った。
「や、やぁ春香、どうしたんだ」
いままでじっと俯いていた春香はすくっと顔を上げた。
そして今度は、もっと頭を下げた。
「ごめんなさい、プロデューサーさん。全部私のせいなんです。」
おれはほっと胸を撫で下ろした。やっぱりドッキリだったんだ。
春香は罪悪感から、謝ってくれた。なんだか気が抜けてしまった。
「いいんだよ、気にしないでくれ。春香が謝ることじゃない」
春香は首を振っておれを見上げた。
「プロデューサーさんを混乱させてしまった、スタンドのことも全部話します。」
「あ、ああ。どこで話そうか、おれの家はまずいかな」
春香の頬がさっと朱に染まった。
「い、いえ。誰も見ていないですし、大丈夫だっ…だと思います」
おれはすっかり安心しきった風で、春香と家に入ったのだった。
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