33:名無しNIPPER[saga]
2015/04/12(日) 17:10:37.09 ID:Mi5W6RuS0
「いやぁ、街中で低体温症になるなんて、そうそうありませんから驚きました」
ベッドの隣に立つ医者が、禿げ上がった頭を掻きながら言った。
「いったい、どうなさったのですか」彼は覗き込むようにして、尋ねる。
「いや、はははは…、実際、私もよく覚えていなくて」
ひきつった笑みを浮かべ、答える。
まさか、幽霊に氷漬けにされてました、などと言えるはずもない。
「水風呂にでも入っていたのですか」
「冷たくて、気持ちいいですよね」
「それとも、プール?CMでやってた気化冷凍アンチエイジング?」
「分 か る わ 」
:
:
のらりくらりと逃げ回るおれを見て、その医者はやれやれと、肩を竦めた。
「まあ、今日一日、お休みになってください。明日には退院できるでしょう」
そういって彼は病室から去って行った。
49Res/39.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。