46:書き込んでいますが、HTML化お願いします[sage saga]
2015/04/14(火) 14:40:14.92 ID:6/BNTUbN0
おれは彼女の手を握ったまま、エレベーターからそのまま出た。
そして、彼女を連れて、もとの病室まで戻ってきたのだった。
その間、彼女は俯いてはいたが、抵抗するそぶりは見せなかった。
どちらが先に口を開いたかは、もう覚えていない。
ただその会話の中で、緊張と不安がおれたちの中にあったのは事実だった。
彼女には山ほど質問を投げかけた。
当時は言い出せなかったことも、知りたくもなかったことも。
彼女はひとつひとつ、拾い上げるようにして答えた。
その答えの一部には信じられないようなこともあったが、今では、きっと真実なのだろうと思っている。
忘れないために、ここに一部始終を記そうと思う。
まず、あの世界は平行世界の中でもいささか特別なものであったらしい。
というのは、平行世界を考えるにあたって、可能性は分岐していくが、それは決して等活に分配されるわけではない。
たとえば、歩いていて、躓く可能性はほとんどない。つまり、大半の平行世界は躓かないものとして生まれる。
そうやって可能性は分配されていき、彼女の世界はもっともそうなる可能性が高い世界だったのだ。
だから、彼女が救われれば、多くの他の世界の彼女も救われる。
ただ、無限とも考えられる平行世界で、このような発想はいささか矛盾しているかもしれない。
閑話休題、次はあの世界で起きたことを書こう。
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